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トラベラーズ ノート まくら木日記

日記・雑記・駅々めぐり。

[旅日記]京都鉄道博物館へ(3)

  (2)より

  これよりお目当ての京都鉄道博物館へは、梅小路公園を突っ切って行くことになる。広場は家族連れで賑わい、往来が盛ん。右側に見る京都水族館も相当な人出で、魚より人の方が目につきそうだ。鉄道博物館もこんな調子なんだろうな、と戦々恐々。

  歩いて行くと、こんなところに・・・

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  京都の市電が。どうやら観光案内所として使われているらしい。

  日本の路面電車は1895年、ここ京都で最初に運行が開始されたという。営業用の電車としてもこれが日本初であり、電力は琵琶湖疎水を利用した初めての水力発電でまかなったという、初めて尽くしの電車だった。

  さらに進むと、

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  「市電ひろば」。停留所を模したスペースに4両の車両があり、こちらはショップやカフェとなっている。

  最盛期には碁盤目状の京都の街に広く路線網が巡らされ、路面電車が縦横無尽に走っていたというが、1978年に全廃。高度成長期に多くの都市から路面電車が姿を消したが、特に京都は規模が大きかった分だけ、モータリゼーションを妨げる存在として目の敵にされてしまったのかもしれない。

  昭和後期の大粛清を生き残った路面電車は、現在LRT導入などでそれなりに復権を遂げているものもあるだけに、もし今も京都に市電が残っていれば、という「たられば」をどうしても考えてしまう。これだけ外国人客が増えているので、観光資源としても活用できた可能性がある。あの京都駅でのバス待ちの大混雑も、いささか様相が変わっていたかもしれない。

  さて、この「市電ひろば」からは線路が延びている。そこに姿を現したのは・・・

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  レトロな雰囲気のチンチン電車。この先「すざくゆめ広場」までの200mほどを行ったり来たりしている。片道150円で乗れるので、クマ子の勧めもあって乗車してみることにする。

  この車両、「狭軌1型」と呼ばれ、明治後期に製造され、最初に路面電車を開業させた「京都電気鉄道」が京都市に買収された際に譲渡された。買収後唯一狭軌(JRなどと同じ線路幅)で残った堀川線で使用され、1961年(昭和36年)の同線廃止まで活躍を続けたという。

  そして1994年(平成6年)、この27号が当初の姿に復元されて梅小路公園を走るようになった。もとのパーツがどれほど残っているかはわからないが、レプリカではなく明治の車両そのものが残っているというのが興味深い。現在では蓄電池駆動になっているので架線はないが、折り返す際には運転士が屋根のトロリーポールをワイヤーで引っ張って、きちんと向きを転換する。その運転士から2枚の切符を買って車内に乗り込む。

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  車内もこのとおりのレトロ調。

  進み出した電車は床の下からゴロンゴロンと振動を伝え、車体をきしませながらゆっくりと走って行く。S字のカーブを抜けると、もう終点が見えてくる。ほんの少しではあったが、明治から平成まで100年以上、4つの時代を超えてきた電車に乗車できたのは感慨深い。しかももうじきすれば、令和を含めた5つの時代となる。

  すざくゆめ広場にも市電の車両が幾つか置かれている。特に屋根のない場所で野ざらしになった車両は惨めなほど劣化し、いっそ解体されていた方がよかったと思えるものが少なくないが、梅小路公園の車両はどれも状態は悪くない。27号の動態保存を含め、路面電車発祥の地としての京都のプライドが感じられた。

  (続く)
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