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トラベラーズ ノート まくら木日記

日記・雑記・駅々めぐり。

新快速に有料車?

  複数の報道によると、JR西日本が2022年度までに新快速の運転区間に有料座席車を導入するかを検討しているようです。

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  新快速にグリーン車のような有料座席車を連結するか、ホームライナー的な着席型の列車を導入するかは今後検討されるようです。

  首都圏ではJR・私鉄を問わずこうした有料座席車の設定が増えています。関西圏でも近鉄や南海には有料特急があり、南海の「サザン」は料金不要の一般車と座席指定制のハイグレード車両を併結しています。京阪も昨年「プレミアムカー」を導入しました。

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JR東日本E217系のWデッカーグリーン車

  かつては関西圏の東海道・山陽本線快速にもグリーン車が連結されていた時代がありました。しかし利用は芳しくなかったようで、1980年に廃止。それはちょうど新快速に117系が投入されだした時期と一致します。私鉄王国・関西の中で旗色の悪かった国鉄にしてみれば、当時のグリーン車並の設備を持つ117系を追加料金不要で走らせない限り、私鉄各社に太刀打ちできないという危機感があったのでしょう。この流れはJR西日本にも継承され、後継の221,223,225系も近郊形屈指のクオリティを持つ車両として人気を博してきました。

  首都圏の混雑は半端なく、車両もその大量の客をさばくことに特化しているので、「ちょっと豪華で、一応座れる(座れなければ払い戻し)」グリーン車に相応のニーズがあり、その対価として追加料金をいただくという商売が成り立ちます。一方、関西の新快速は既にグリーン車に匹敵する設備を備えており、首都圏ほどの混雑があるわけでもないので、対価を得て差別化を図るのが難しい面があります。

  これまでにも「新快速にグリーン車を」という構想は耳にしたことがありますが、具現化することはありませんでした。かつての関西のグリーン車は前述の経緯で廃止されており、1995年に「関空特快」に導入された指定席も数年のうちに廃止。会社は違いますが、ホームライナー方式で設定された東海の「セントラルライナー」も十数年で廃止(一般の快速化)となりました。ですから「関西でオプション料金車両は受け入れられない」というイメージがJR側に少なからずあるのではないかと思われます。

  それでも今になってこの計画が再検討されているのは、今後の少子高齢化を踏まえてのことでしょう。利用者が減ることによる「ゆとり」を増収に充てるとともに、特に京阪神圏で常に混雑している新快速に、少し余分に払ってでも着席したいというニーズを拾おうという狙いもあるのでしょう。(その需要が採算を取れるレベルなのか、検証を要するところですが。)

  仮に新快速にグリーン車のような有料座席車を導入するとなると、一般車両とどのように差別化するか、料金設定がそれに見合ったものになるかが鍵となりそうです。車両の内容を変えずに単に着席保証という形にするのが運用上は一番楽だと思いますが、それだと「関空特快」の二の舞になってしまいそうです。

  今の12両編成を変えずに有料座席車を組み込むとすれば、他の車両の混雑を助長することになり、そこをどうフォローするかも問われそうです。さらには、有料席の設定区間をどうするか。「セントラルライナー」のように末端区間では料金不要で開放するとすれば、それはそれでトラブルのもとになりそうです。

  このように考えてゆくと実現にはなかなか課題が多く、ハードルが高いように思われます。新快速はJR西日本の主力だけに、どう動かすにしても失敗の許されぬ大事業になるのは必至。今後5カ年計画で様々な検証や準備を行ってゆくことになるでしょう。

  さて、JRがこうした動きを見せれば他の私鉄はどう応じるか。京阪は既にプレミアムカーを導入していますが、阪急は今のところ考慮していない模様。一方、近鉄は以前から自社の有料特急を阪神や山陽に乗り入れさせたいという意向を示しており、既にツアー列車として近鉄特急車が阪神神戸三宮まで乗り入れた実績があるものの、有料特急を定期的に運行させるとなれば阪神側に大きな変更が求められることから、阪神は難色を示しているようです。こうした流れがJR側の動き如何で変わってゆくのかにも注目です。
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